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初めての体外受精・顕微授精、無事凍結胚の移植まで完了!

こんにちは、ケイジです。

先日、初めての体外受精・顕微授精の胚盤胞凍結までをレポートしました。

ここまでのレポートはこちら
初めての体外受精・顕微授精開始!基礎的な内容から費用までレポート
初めての体外受精・顕微授精の培養フェーズをレポート、胚盤胞はできたのか・・

ここまでの結果を超簡単にまとめると、胚盤胞が1つ凍結できたという状態です。

今回は、その胚盤胞を母体の子宮戻す(=移植する)部分の報告です。

また、これによって、体外受精(精確には今回は顕微授精)の一通りの処置が完了となります。あとは妊娠判定を待つのみです。(神様、仏様どうかよろしくお願いします(ー人ー))

ということで、移植フェーズのレポートいってみましょう。今回もある程度基礎的な内容が書いてあるので、そんなこと知ってるよ、という方は飛ばし読みしていただければと思います。(今回もながくなってしまった・・)

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移植方法の選択肢

体外受精等の経験者の方などはご存知だとは思いますが、移植方法には大きく分けて2×2の4種類の方法が考えられます。

まず

初期胚か、胚盤胞か

次に

新鮮胚か、凍結胚か

これらの組み合わせで2×2の4種類ということです。

それぞれ簡単に説明していきます。

「初期胚か、胚盤胞か」は基本はどこまで培養するかの違いです。初期胚の場合大体培養を3日目程度で終了します。対して胚盤胞は5,6日目まで培養します。より長い期間、人の監視のもとで培養することで、その卵が妊娠の可能性の高いものかどうかの見極めがしやすくなります。統計的にも、胚盤胞までしっかり育ったのを見極めてから移植したほうが、妊娠率が高い結果が得られています

ならば、みんな胚盤胞にすればいいじゃないか、と思ってしまいますが、胚盤胞まで育てること自体が失敗してしまうことが多い人や、自然な形(母体)での成長環境にできるだけ早く置きたい人などが、あえて初期胚を選択することがあります。

ただし、実際には、はらメディカルクリニックの統計では95%以上が胚盤胞を選択しており、やはり基本の選択肢は胚盤胞となっています。

続いて、「新鮮胚か、凍結胚か」は、基本は子宮の状態を考慮するかの違いです。体外受精や顕微授精を行う場合、まずは採卵するわけですが、その採卵の際の卵巣刺激や採卵施術により、子宮環境が整っていない場合が多いとされています。これを鑑みて、卵を凍結し、子宮環境が整ったのを見計らってから移植してあげよう、というのが凍結胚とする理由です。

ですので、採卵の際の排卵誘発刺激の量や、採卵手術による採卵個数などに応じて、子宮の状態は変わり、移植のタイミングも調整されるということになります。採卵数が少なく、子宮の状態が良好であれば、新鮮胚、すなわち採卵して培養してそのまま子宮に戻す、ということも可能なわけです。

こちらも、はらメディカルクリニックの統計では約95%以上が凍結胚を選択しており、凍結胚が基本の選択肢となっています。これは、採卵時の排卵誘発法が主に中刺激や高刺激など採卵個数が多くなる手法を選択する人が多いことから起因しているともいえます。(排卵誘発法の選択については「初めての体外受精・顕微授精開始!基礎的な内容から費用までレポート」に詳しく記載しています。)

ということで、我々も基本に外れることなく、胚盤胞の凍結胚移植としました。

凍結胚移植ということで、採卵した周期に胚盤胞を子宮に戻すのではなく、1周期以上子宮を休ませてから移植することとなります。これは状態によるので1周期で確実に戻せる状態に整うとは限りません。

ただ、今回行った中刺激法による採卵の場合、はらメディカルクリニックではほぼ、1周期で状態が整うことが多いとのことでした。そして、我々も同様に1周期で問題なし、ということで、5月に採卵し、6月には移植という運びとなりました。

移植までの排卵管理

凍結胚の融解胚移植の場合は、1周期以上あいだを置いているため、移植のタイミング、すなわち次の排卵のタイミングをまた見極める必要があります

移植するタイミングは、自然妊娠の場合とも同様の子宮環境になるよう、排卵後にそれぞれ培養の日数にあった期間を置いて移植することになります。これにより、妊娠しやすい状態に近づけることができます。そのため、排卵のタイミングの見極めが必要となります。

そのため、採卵時と似た手法が使われたりもします。今回はらメディカルクリニックでの移植のタイミングのとり方は

  • 自然排卵周期
  • 低刺激周期
  • ホルモン調整周期

の3種類の方法が選択可能でした。

「自然排卵周期」による調整は、月経周期が規則的な場合に、主に診察とhCG注射(排卵直前で行う排卵を確実にさせる注射)のみでタイミングを見極める手法です。まんま、タイミング法ですね。笑。
そう、これタイミング法なんです。すなわち、そのタイミングで自然妊娠のチャンスも一応あるはずなんです。このことに関しては後述します。

「低刺激周期」による調整は、クロミフェンや注射によって排卵誘発を行い、確実に排卵させる調整をしていく方法です。こちらも、タイミング法や人工授精でも行われるような手法ですね。生理周期が比較的不規則な方などに向いている手法になります。

「ホルモン調整周期」による調整は、エストラーナやプロゲステロンといった投薬により、子宮内膜環境や黄体ホルモンを調整して妊娠しやすい環境を整える方法です。妊娠しやすい環境が作りにくい人、すなわち、生理周期が不規則だったり、子宮内膜が厚くなりにくかったりする人に有効となります。「低刺激周期」とも似ているように感じますが、明確な違いがあり、こちらは排卵タイミングを合わせているのではなく、ホルモンの調整を行っているということ。その結果こちらを実施した周期では、排卵が起きません。投薬による調整により、自然周期と体内環境が変わり卵胞が育たないようです。こういった、人為的な変化はありますが、誰でも高確率で妊娠しやすい環境を整えることができる手法となります。

これらの3つの手法の、移植しやすい子宮環境の整えやすさ・確実さは

自然排卵周期 < 低刺激周期 < ホルモン調整周期

となります。

今回僕らは、妻の生理周期が規則的なことと、僕が可能な限りは自然な形に近いことを希望する人なので、「自然排卵周期」としました。

移植前の排卵タイミングはどう扱うべきなのか

ところで、3つの手法を書きましたが、「自然排卵周期」と「低刺激周期」の場合、通常の周期と同様に排卵が起きますね。

この排卵(=タイミングのチャンス)をどう扱うべきなのか。

そもそも、移植への環境を整えている最中にセックスってしていいの?子宮環境悪化させたりしない?移植頃に精子子宮にいて問題ないの?

といった疑問がありました。

まず、いくつか調べた結論からいいますと

排卵に合わせて、タイミング(セックス)をとろう

ということ。

主な理由としては

  • 妊娠のチャンスの拡大
  • 自然妊娠へのチャンスの有効活用
  • SEET法等に似た妊娠環境を整える刺激を子宮に与える

ということです。

移植に合わせてセックスすること自体は、よほど激しいなどの問題がない限り問題ないようで、むしろ妊娠環境を整える刺激を子宮に与えるというプラスの効果があると考えることが多いようです。SEET法で培養液を戻すだけで体が準備しだすなら、精子がいることでも準備しだしてもおかしくないですね。

そして、移植のタイミングの見極めが本来の目的ではありますが、同時にその周期のタイミングがせっかく正確にわかっている、すなわちタイミング法治療をしているのと同じなので、有効活用してチャンスを拡大できるならしたほうがよいでしょう。

ただし、当然ながら、多胎妊娠の可能性が高まります。「自然妊娠+体外受精移植による妊娠」になりえるということですね。とはいえ、これまで自然妊娠してこなかったのなら確率はやはり低いですし、万が一移植側がダメでもちょっとした保険がいるようで希望が残ります。やはり、タイミングにあわせて性交はとるに越したことはないと思います。

というわけで、今回は、自然周期にあわせてタイミングもとりました。その時点ではこれほど調べてなかったので、問題ないなら一応やっておこうかな?くらいの軽い気持ちで。笑。でも結果、タイミングがとれてよかったです。

これらの情報は以下を参考にしています。
自然周期で凍結胚移植を行うメリット
胚盤胞移植+タイミングはオススメですか?

移植への補助的な処置

続いて、実際に移植を行う前に、移植後の着床を助けるための補助的な処置を行うことができます。そちらを3つご紹介します。

SEET法

まず、着床するために子宮は受精卵からの信号を受け取って、着床するための子宮内膜環境を整えていると考えられています。この「受精卵からの信号」が、体外受精により培養した日数分、今回我々の場合で言えば5,6日目分まで体内では信号が送られないことになってしまいます。

この「受精卵からの信号」の代わりとして、胚培養液を子宮に注入することにより、その信号と同様の刺激を与えられる、ということがわかっており、その胚培養液を注入することをSEET法といいます。

SEET法には、実際には大きく分けて2種類方法があります。

1つめが、「子宮内膜刺激胚移植法」といわれるもので、移植予定の胚盤胞を実際に培養した液を使用する方法です。戻す胚が実際に育った環境の刺激を与えることで、より良い刺激が伝わることになります。実際、統計結果として次に述べる「簡易法」よりも成績が良くなっています。

2つめが、「簡易法」です。これは、移植する胚を実際に培養した液を使わずに、一般培養液を注入する方法です。卵の培養は複数とれても、1つの培養液のなかでまとめて行われるため、複数の胚盤胞が確保できた場合にも、実際に培養した液は1回分しか確保できないのです。これにより、実際に使った培養液がどうやっても確保できない場合が生まれ、その際に、一般培養液を使う、ということです。

SEET法をそれぞれ実施した場合としなかった場合の成績の統計結果が以下です。

子宮内膜刺激胚移植法 簡易法 SEET法なし
着床率 45.1% 39.6% 32.6%
妊娠率 40.6% 33.3% 28.8

また、はらメディカルクリニックでの統計としても90%以上程度の人がSEET法実施となっています。

我々も今回「子宮内膜刺激胚移植法によるSEET法」を実施しています。

2段階移植

こちらは、実は僕は今まで知らなかったのですが、このサイト経由で知り合った方にこんな方法もあることを教えていただきました。ありがとうございます!

こちらも大きな意図としてはSEET法と同じで、子宮内膜へ着床へ向けた信号を早めに送ることです。その信号を送るのに、初期胚を移植するということです。初期胚移植により、子宮内膜環境を整えた後、万全の体制で妊娠の可能性の高い胚盤胞を移植してあげる、ということです。

ただし、こちらの方法の場合、結果として「2つの胚を移植している」ということになり、単純に多胎妊娠の可能性が高まります

また、日本産科婦人科学会という、日本の生殖医療を取り扱っている学会では、現在では多胎妊娠は母子への負担が大きいため、「胚移植は通常は原則単一で行う」と定めています。例外として、35歳以上の女性か、2回以上続けて妊娠不成立だった場合に、2胚移植が許容されています。これらは2008年から決まったようです。逆にそれまでは、妊娠率向上のために、2段階移植に限らず、複数の胚移植が行われていたようです。

元々は2段階移植が先に行われており、それと似た効果が培養液でも得られるということがわかり、SEET法として発展していった経緯があるようです。

レーザーアシステッドハッチング

こちらは上記2つの着床しやすい子宮環境を整えるのではなく、胚自体のふ化(ハッチング)をしやすくする方法です。

胚は透明帯という膜で覆われていますが、これをやぶってふ化していく必要があります。凍結や、もともと透明帯が厚いなどの理由で、ふ化が起こりにくい状態を、レーザーで膜を薄くしてふ化しやすいように手助けしてあげます。膜を薄くするだけなので、胚への影響は特にありません。

凍結胚ということで、イメージ的にも透明帯が固くなってそうに思えますので、我々も今回実施しています。基本的にはやるに越したことはない補助方法といえます。

今回はSEET法とレーザーアシステッドハッチングを実施

ということで、それぞれの項目でも書きましたが、今回は

SEET法(子宮内膜刺激胚移植法、つまり実際に使った培養液によるもの)と、レーザーアシステッドハッチング

こちらを実施しました。



移植

(やっと、)実際の移植のお話です。

肝心の移植ですが、奥さんいわく、「さくっと終わったよ~」とのこと。感覚的には人工授精に近いらしく、子宮に注入して終わりとのことです。

今回の移植時の各状態がこちら

  • 凍結時Grade 4BB
  • 融解後Grade 6BB
  • 内膜厚 16.0mm(10.0mm以上が理想)
  • レーザーアシステッドハッチング 有
  • エンブリオグルー使用 無

融解後もしっかりと胚盤胞は育ってくれているようでステージ6、これはふ化した状態にまでなっているということのようです。トータルのグレードは6BBということで、まだまだ安心はできない感じですね。

また、子宮内膜はしっかりと厚く整ったようで全く問題なし。嫁さんさすがでございます。

エンブリオグルーというのは、粘着性の高い培養液のようなもので、胚と子宮内膜の接着を促す効果、すなわち着床しやすくする効果があるとされているものらしいです。こちらは特に説明も受けなかったので完全スルーでした。一応結果には記載されてたので、それから調べました。笑。35歳以上の症例で用いることが多いみたいです。

とまぁ、移植の実施自体は、大きな問題がでなかったのですんなりすみました。
問題は費用ですね。こちらが・・、お、重い。

胚移植に関する費用
SEET法とその際の診察等(税込) 23,312円
胚融解料(税込) 9,180円
凍結胚移植(税込) 59,940円
レーザーアシステッドハッチング(税込) 10,260円
投薬(ウトロゲスタン)(税込) 15,164円
税込み合計 117,856円

お、おう、移植はもうちょっと安いかと思っていたぜ・・。

ちなみに、はらメディカルクリニックで体外受精を実施する場合、体外受精料金説明用紙というもので大枠の料金説明が書いてある紙をもらうのですが、投薬(ウトロゲスタン)の費用までは載ってなかったり、SEET方などのオプション料金の一部は裏面の注意書きに書いてあったりするので、その用紙のぱっと見よりはもう少しかかると思ったほうが良いです。思ったより費用がかかって、ずっしりきました・・。とはいえ、基本的にかかる料金は網羅されています。ただ、思ったよりオプションがかかることは多いと思います、ということです。

以上が、凍結胚移植の詳細なレポートでした。

体外受精・顕微授精実施のまとめ

ということで、ここまで3回に渡って、基礎的な内容から、僕らの具体的な数値を交えてレポートしてきました。

ということで、最後に実際にかかった総費用です。(実際には、この他にもインディバという妊娠力アップのマッサージのようなものもやっていますが、それらは完全に個人の希望によるものなので入れていません。)

ここまでの費用合計
採卵費用 448,653円
培養費用 98,820円
凍結胚移植費用 117,856円
税込合計 665,329円

ひぇぇーー。

665,329円ですよ。いやぁ大打撃も大打撃。なんといっても、これで次も採卵からなので、ほぼおなじだけ次もかかる恐怖がやばいですね・・。

とはいえ、これにて・・

なんとかしっかりと育ってくれている胚盤胞の移植までが完了しました!

あとは我らの遺伝子・細胞の結晶、そして母体を信じるのみです。

今僕らにできることはしっかりと体調管理をして、母体にも卵にも優しい生活をしていくことです。そうがんばって、日々を過ごしていきます。(判定日が恐ろしい・・信じてるけど!)

以上、今回も長文読んでくれてありがとうございました。