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お酒(アルコール)の精子・妊娠への影響

精子と食との関係シリーズ、今回はアルコールの影響を調べてみました。

普段日常的に飲むわけではないのですが、飲み会ではふつーに(むしろ多めに)飲みますし、時折飲みたいなぁなんてときは晩酌的にビールを飲ませていただいております。精子に悪影響を与えない範囲の飲酒にするにはどうしていけばよいのでしょう。

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お酒(アルコール)と精子・妊娠への影響を調査した報告

最近取り上げられたものも含め、これまでアルコールと精子や妊娠への関与を調査した結果報告を並べてみましょう。ここで取り上げるのは、論文等の出処がある程度明確であるものにします。出典不明のネット情報等は含みません。

習慣的なアルコール摂取と精子の質との関係

こちら↓の論文にてデンマーク人男性1221人に対する、アルコール摂取量と精子の質の調査結果が上げられています。

Habitual alcohol consumption associated with reduced semen quality and changes in reproductive hormones; a cross-sectional study among 1221 young Danish men

結論

精子濃度、全精子数および精子正常形態率は、習慣的なアルコール摂取量の増加に対してマイナスとなる相関があった。この関連は、最低5ユニット以上のアルコールを習慣的に摂取する男性で観察され、週に25ユニット以上の習慣的な摂取量を有する男性で最も顕著であった。 週に40ユニット以上の習慣的な摂取量を有する男性は、1週間に1~5ユニットを摂取する男性と比較して、精子濃度の33%(95%CI 11~59%)の減少を示した。調査前の週にアルコール消費が増加している場合血清フリーテストステロンの有意な増加が見出された。ビンジング(一時的な飲み過ぎ?)が独立して精液の質に関連してはいなかった。

アルコール摂取量が一定量を超えると、アルコール摂取量が多いほどに精子の質にマイナスの相関があるという研究結果です。「アルコール摂取量が一定量を超えると」なので、一定量以下では強い影響はでていないようです。一定量は週に5ユニット以上のアルコール。1ユニットはデンマークではアルコール12gなので、週に60g以上。これはビールだと1.5リットル、日本酒だと3合程度に当たる量です。たまに飲む分には問題無さそうですが、毎日飲む習慣があると影響を受けている範囲になってしまいますね。

この研究で面白いのが、フリーテストステロン(遊離テストステロン)という、男性力を表すとされるホルモン値にも着目していること。着目していることは面白いのですが、結果が精子の質とは真逆で、アルコール摂取量が多いほどにフリーテストステロンは増加するという結果になっているのがよくわからないところ。

結論としては、著者は、多量の飲酒習慣は避けるべきだ、という結論になっています。ひとまず、習慣的に毎日飲んでいたり、飲み過ぎたり、といったことを避けると精子には良さそうです

体外受精による妊娠成績とアルコール摂取量に関する報告

おもに体外受精成績とアルコールに関する結果が以下で取り上げられています。

アルコールと妊娠に関する最新文献 2017

2017年7月に、同じデンマークから、男性または女性のアルコール摂取が、体外受精の妊娠率に与える影響について、後ろ向きの調査を行った報告が出されました。Vittrup I, et al.Reprod Biomed Online. 2017; 35: 152-160

男性の場合はアルコールを飲まない人のパートナーは22.6%で子どもが生まれ、1週間に14杯以上飲む人でも20.2%でした。この両者には差がありませんでした。
つまり、不妊治療としての、体外受精をしているカップルにとって、アルコールを飲むことは、必ずしもマイナスに働いていないという結果でした。

体外受精の妊娠成績には男性のアルコール摂取量が影響しない(影響したといえる範囲じゃない)という結果です。1つ目の報告と違って、毎日2杯(ビール700ml程度)ほどの飲酒をしても、影響がでていないとのこと。1つ目報告と違ってこちらは精子自体がどうなったかではなく、体外受精に関してのみの報告という違いがあります。

体外受精による妊娠成績とアルコール摂取量に関する報告②

上と同様に、体外受精成績とアルコールに関する結果が以下で取り上げられています。

カップルのお酒やカフェインは体外受精の治療成績に影響するのか?

ART治療を受けている300名の女性の治療前1年間のアルコールやカフェイン摂取量と493治療周期の体外受精や顕微授精の治療成績との関係を調べました。
・・・
男性パートナーがアルコールを多く摂っているカップルほど着床率や妊娠率、出産率が有意に高く、男性パートナーのアルコール摂取量が最も多かったグループ(≧22g/day)のカップルと最も少なかったグループ(<3g/day)のカップルの調整後の出産率は、それぞれ、61%、28%だったとのこと。

アルコール量
・ライトビール1缶(355mL):11.3g
・レギュラービール1缶(355mL):12.8g
・ワイン1グラス(118mL):11.0g
・蒸留酒1ショット(44mL):14.0g

なんとこちらでは、体外受精の成績は、男性側はアルコールを摂っている方が妊娠成績が良いという結果がでています。1日22g以上のアルコール摂取(ビール500mlを毎日のような感じ)の男性と、1日3g以下(ほぼ飲まない)男性とで、61%と28%という明らかな差がでています。

流石に研究結果としてもアルコールをたくさん飲むほど精子にとって良い影響をもたらすとまで結論付けてはいないですが、飲酒が必ずしも悪い影響を与えるわけではないという1つの証かもしれません。

報告からの考察

というわけで、ざっと3つ取り上げたのですが・・・結果に一貫性がありません笑。なので、明確にこうすべきとは僕も結論を出すことができず戸惑っています。ですが、一般的な健康論と合わせて考えても、「飲み過ぎは体に毒だが、多少であればアルコール体には良い影響をもたらす可能性もある」、というところで考えています。

強いて今回一貫していることといえば、飲まないこと(禁酒)が精子に良い影響を与えるという結果はどこにもないということ。適量であれば問題無さそう、ということで、飲酒に関しては僕は今までとあまり変わらない生活をしていこうと思ったのでした。